「レヴェナント 蘇りし者」を観た。
物語そのものには、作品を初めて知ったときから興味はなくて、監督が凝りに凝った映像、衣裳、音楽、音響、視覚効果等を観るためではなく、体験するために劇場へと足を運んでみました。 映画に関しては、ある方が自分が言いたいことを簡潔に、素晴らしい文章でまとめていらっしゃって、これ以上のことは書けないので、お時間がある方はどうぞ御一読を。 其の1 其の2 物語は本当に退屈なのだけれど、要所要所で身震いするというか、とにかくすごい映画だった。 まずはやはりレオ様の体当たりすぎる、演技を超えた演技。 食べれもしない生肉は食すし、(極寒)激流に流され滝からは落ちるし、川で捕まえた魚を鮭を頬張る熊の如く食すし、全裸で馬の屍にベッドインするし、完全なるサバイバル映画でした。これだけのことして、アカデミー賞主演を逃したら、気が狂うレベルだと思う。 映像美は言わずもがな。 地球って美しいな~と思わせたかと思うと、一瞬にして極寒の地へ戻される、あのジェットコースター感。 音楽は、教授こと世界の坂本龍一氏。 知ってはいたけれど、映画に集中しすぎていて、途中でようやく音楽が気になりだして、「あっ、そういえばこの映画の音楽は坂本龍一だ」って気づいたほど。 それまで、劇中で音楽が流れていたかどうかもわからないけれど、パーフェクトな鳴りだったと思う。 坂本龍一と知っていただけに、途中「教授らしいな」って思うところもあったけれど、それは潜入感が邪魔していて、知りもしなければ、きっとわかってもいなかったと思う。それぐらい映画に溶け込んでいたというか、自然音とかわりないくらいの”自然”な音でした。 音響も素晴らしい。 肉を喰らうシーンとか、あの思いだしたくもない、グリズリーの鼻息、ヨダレの音。 あの音がトラウマとなって、山に行くのはもうやめようと、つまらない決意をしてみたり。 川の流れる音、雪が降る音、鳥のさえずり、獣の足音。上映中は自分はあの荒野にいたと錯覚できるレベル。 そして堂々たるエンドロール。 そうそうたるスタッフが連ねているのだろうけれど、「映像どや!」、「音楽どや!」と俺様いい仕事したやろ!?的な堂々としたスタッフ紹介。威風堂々でした。あっぱれ! アメリカだけではないのだけれど、先住民を迫害して、あたかも自国のようにふるまう様。 結局、今とやっていること何もかわっていないんですよね。 使用する武器がかわったり、主義主張はかわれども、歴史を学んでいないよな~と観ていて虚しくなったりもしました。 でも自分がこの映画を観て一番感じたのは、先にも述べましたが、やはりサバイバル感。 息子の復讐心が生きることへの怨念にも似た執念のなっているのだけれど、あの極寒の荒野で生きる知恵というか。先人達の知恵や経験はすごいなと。やはりどんな状況でも火を起こせる技術、身を守る術は身につけたいです。そして、MY斧が欲しくなったのも事実であります。 とにもかくにも、最重要なのは「火」でした。この映画を観て、サバイバルだー!って言っている自分が情けなくもありますが、火がかなり効果的に使われていたように思えます。 火を効果的に使うことによって、レオ様をはじめ、劇中の登場人物達の「生」を表していたのではないかと。 すごい映画でした。 これは絶対に映画館で観ないといけないレベルの映画です。 それだけは断言できます。 素晴らしい映画体験をありがとうございました。 おまけ ※トム・ハーディーだってのは全然気が付かなかった!!!
by putain-day
| 2016-05-07 05:37
| MOVIE2016
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