「天空の蜂」を観た。
人気作家、東野圭吾さんの同名小説が原作の映画。 予告でデカデカと映像化不可能なんて言葉が出ていたけれど、映像化はできるけれど、作品の面白さが激減してしまう・・・という意味なんだと思う。 (人気漫画の実写化と同じことなのだなと) たしかに、CGでなんでもできちゃうこのご時世で、映像化不可ってのはないよな。 江口洋介さん。役者としては良い人だと思うけれど、この人の演技って、はまる時とはまらない時と極端にわかれてしまう人だと思う。 残念ながら今作は後者でした。決して江口さんのせいではないと思う。監督はじめ、演出の仕方がちょっとまずかったとしか思えない。 厳重体制の会社(工場)に、いたずら心で子供が簡単に入り込んでしまったときは、思わず吹いてしまったし、大人の俳優をくってしまうほどの力量をもった子役が大勢いるなかでの、まさかの大根演技で、今度は嘔吐。 何度かこのブログでも書いているけれど、主要登場人物だけ大物役者で、他のキャスティングはおろそかにされている件。 そういう映画に限って必ず、主要登場人物が必ずどんでん返し的なことをする。そりゃあ観てる側からしても、聞いたことも観たこともないような人が物語の重要シーンに絡むより、大物役者が絡んだほうが、歌舞伎のように、「いよっ!待ってました!」っていう感じになりますから。 原発のあり方、存在意義について、一種のアンチテーゼをうった映画だけれど、最後に東日本大震災での出来事をもってくるのは、あまりにも安直すぎるというか、無謀すぎるというか。この映画を観た、東北の人たちはどう思うのだろう。 原発っていらないのではと終盤まで言い続けているような映画なのに、最後の最後に実際の原発事故で締めくくるって。 やっぱり原発はいりませんっていうようなメッセージだったのかもしれないけれど、結局は原発事故を題材に一稼ぎしようっていう、映画で描かれていた、悪い日本人像を、この映画製作関係者に投影しちゃいました。 最後に若手人気俳優をぶっこむより、原発の危険なところをもっと描いて、伝えるべきだっと思うのに。 結局は映画でさえも、これだけの大作になると、「反対!」ってことを描けないのだなと、絶望感を味わった映画でした。
by putain-day
| 2016-06-17 06:25
| MOVIE2016
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