ALIBABA

近所にALIBBAというライブバーがある。
「BAR」と名の付くところは、小学生はおろか、幼児なんかもってのほかで、入店不可の店は多い。
外食に出かけ、おそらく飲み足らなかったであろう父親が、「小さい子供いるけどいい?」と店主に断ってなんとか入店させてもらうのだけれど、そのALIBABAという店のマスターは快く出迎えてくれ、大人の世界に踏み入れて緊張している自分に、あふれんばかりの笑顔で接していてくれた。

店内には古き良きアメリカというか、そういったものを感じさせられるものが多く飾ってある。
ジェームスディーンの大きなポスターとか、バドワイザーの看板とか。
日本でいうヤンキーではなく、アメリカ的なヤンキーに大きな憧れを抱いていた、少年時代の自分にとっては、店内の世界観がたまらなかった。

そして我が家の名物だったのが、酔った父親は必ずマスターに、「Stand by me」を唄えとリクエストすること。
いつも笑顔で「はいよ~」とリクエストに応えてくれるマスター。
アコースティックギターの音色は知っていたけれど、アンプを通して聴くアコースティックギターの音圧、ブルージーなマスターの歌声。鳴り響くハーモニカの響き。
オリジナルのStand by meはもちろん名曲であるけれど、マスターの唄うStand by meの方が自分にとってはオリジナルな唄でした。
ライブのすばらしさ、生音のすばらしさを最初に知った場所でもありました。

マスターものってくると、歌謡曲やポップス、洋楽、邦楽問わず、いろんな唄を歌ってくれた。

マスターの奥さんが作る、特別ではないけれど、格別に美味しいピザやパスタも楽しみのひとつだった。

とにかく大人な場所であると同時に子供も楽しめる、そんな特別なお店でした。

つい先日、マスターの突然の訃報が届いた。
詳しいことはわからないけれど、奥さんの手記に「急逝」とあったので、突然の出来事だったのだと思う。
息子に「弦」と名付けるくらい、音楽をギターをこよなく愛したマスター。

今度は自分が子供を連れて、お店に遊びに行きたいと思っていた矢先の出来事。

あの歌声を、あのStand by meを聴けないのが、とても寂しくとても悲しい。
Stand by meの歌詞が心に沁みる。

オサムちゃん
色んな唄を教えてくれてありがとうございました。
色々と遊んでくれてありがとうございました。
大人の世界に快く迎え入れてくれてありがとうございました。
どうか安らかにお休みください。
天国でもあのギターで、その歌声で、まわりの人を楽しませ、和ませてあげてください。
それじゃあ、また逢う日まで!









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by putain-day | 2017-07-09 06:52 | MUSIC | Comments(0)
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