「ハクソーリッジ」を観た。
ハリウッド一番の嫌われ者とも揶揄されるような、映画界のヒール、メルギブソンの久しぶりの監督作。 歪んだ性格と、口の悪さは有名だけれど、映画人としては実はすごい人なのではと一部からは熱狂的な支持を得るというとても不思議なお方です。 舞台は、激戦を強いられた、沖縄での戦争。 戦争映画と言えば、プライベートライアンがあらゆる意味で金字塔とされているけれど、戦争の惨劇さを伝えるという意味においては、それに匹敵するのではないでしょうか。実際がそうなんだろうけれど、さっきまで隣で生きていた人間が、あっけなく、無惨な死を遂げたり、腸が飛び散ったり、体は粉々に吹っ飛ぶし、目を覆いたくなる映像が多かった。脚色はもちろんあるにせよ、先人達の歴史であろう映像を、辛くても見続けた。 監督のメルギブソンもある宗教への信仰心の高さも有名だけれど、今作の主人公もある宗教への信仰心についてが、物語の肝となる。 主人公を演じるのは、スコセッシ監督の沈黙でも主役を演じた、アンドリュー・ガーフィールド。 沈黙も宗教をテーマにした映画で、自分としてはその宗教観、倫理観がまったく理解できなかったため、結果イライラしながら観た。 今作も部分部分ではあるけれど、全く同じ気持ちで鑑賞していた。 信仰心=信念 としていたけれど、それは少し違うのではないかと。 もしも、大切な友人や愛する人が、自分の隣で殺されそうになったとしても、武器をとることをためらうのか。 そこはまったく解せなかった。 前半部分、主人公はとにかくよく微笑む。 宗教や家庭環境。その微笑みから自身の色んなバックグランドが読み取れるところでもあるのだろうけれど、その笑みがサイコというか、怖くてしょうがなかった。 なんでそこまでヘラヘラできるのかと。 ちょっと過激な言い方になるけれど、あぁ、頭のネジが一本はずれちゃってるなって・・・ これは決して役者の演技のせいではないけれど、今年観た、宗教・信仰色の強い映画の主演が、どちらもアンドリュー・ガーフィールドということで、この人の出演している映画、演技は、自分をイライラさせるということが脳裏に植え付けられてしまった。 沖縄戦ということで、もちろん米軍の相手は、日本。 戦争中、特攻隊をはじめとする、命をなんとも思わず飛び込んでくる日本人の強さ、怖さがよく描かれていたように思います。 天皇陛下のために、靖国であおうという共通意識のもとに、人間兵器にされてしまったのだなと。 戦争とは、人間の尊厳をなくしてしまう。やはりどんなことがあってもあってはやってはならないことだと思う。
by putain-day
| 2017-12-20 05:09
| MOVIE2017
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